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実験 06

位置は、時刻でわかる

GPS の衛星は、あなたの居場所を知りません。空から「いまは何時何分何秒」と言い続けているだけです。 それでもスマートフォンが現在地を出せるのは、時刻が距離に化けるからです。 衛星の数を 1 機ずつ増やして、場所が決まっていくようすを見てください。

つまみを動かす

電波を受ける衛星
0度
0ミリ秒
時計のずれも答えとして解く
衛星からの距離の円と、計算した現在地 地球と、そのまわりを回る衛星。各衛星を中心に、電波の届いた時間から求めた距離の円を描いています。数値は下の読み取り欄と表にもあります。
電波が届くまで(平均)
—ミリ秒
計算した場所のずれ
—km
求めた時計のずれ
—ミリ秒

数字の表で見る
衛星本当の距離電波が届くまで時計で測った距離

図は地球を輪切りにした平面で描いています。衛星の高さ(約 20,200 km)と地球の大きさの比は実際どおりですが、 ずれを見やすくするため、時計のずれは実際の受信機よりずっと大きな値まで動かせるようにしてあります。 電波の速さは光と同じ秒速 299,792 km です。

なぜ衛星が 1 機多く要るのか

距離は「届くまでの時間 × 光の速さ」で出します。光は 1 ミリ秒で 300 km 進むので、 手元の時計が 1000 分の 1 秒くるうだけで、どの衛星までの距離も 300 km ずつくるいます。 衛星には原子時計が積んでありますが、スマートフォンの時計は安い水晶で、そこまで正確ではありません。

そこで、手元の時計のずれも「わからない数」として一緒に解きます。 すべての円が同じだけ大きすぎる(または小さすぎる)はずなので、 全部を同じ量だけ縮めてみて、1 点で交わる量を探すのです。 平面なら「横・縦・時計」の 3 つがわからないので衛星は 3 機、 実際の立体では「東西・南北・高さ・時計」の 4 つなので、最低 4 機が必要です。 ずれの量を答えとして求めるので、安い時計でも、結果として原子時計なみの時刻がわかります。

平面では 2 つの円が 2 点で交わりますが、片方は宇宙空間や地面の中にあるので、ありえない点として捨てられます。 実際の受信機も、地球から遠く離れた答えは捨てています。

衛星の時計は、1 日に 38 マイクロ秒進む

1日
衛星の時計が進む・遅れる量 速く動くことで遅れる量と、重力が弱いことで進む量、その差し引きを横棒で示した図。数値は下の読み取り欄にもあります。
速く動くので遅れる
−7.2µs
重力が弱いので進む
+45.7µs
距離にするとくるう量
11.5km

衛星は秒速 3.9 km で飛んでいるので、相対性理論によって時計がゆっくり進みます。 一方で地上より重力が弱い高さにいるので、時計は速く進みます。 差し引きで 1 日に約 38 マイクロ秒の進み。光はその間に約 11 km 進みます。 そのため衛星の時計は、打ち上げる前から 10.23 MHz ではなく 10.22999999543 MHz とわずかに遅く刻むよう作られています。 時間が伸び縮みするしくみは 実験 09 で確かめられます。

µs(マイクロ秒)は 100 万分の 1 秒。軌道半径 26,560 km、地球の半径 6,371 km、衛星の速さ 3.874 km/s で計算しています。 実際の GPS はこの補正に加え、電波が大気を通るときの遅れや、衛星の軌道のゆがみも補正しています。

つづけて動かす